◆教育用TCDガスクロマトグラフ
教育用TCD GCはコンパクト310型筐体に、TCD検出器・AD変換器・アンプ、昇温カラムオーブン、3 'シリカゲル充填カラム、全ガス用に電子圧力制御(EPC)、オンカラムインジェクタなどが搭載されており、一般的なWindows
PCにダウンロードされた1チャンネルPeakSimple装置制御/データ解析ソフトで稼働します。下記のモデルには、オプションの急速冷却ファンが装備されています。
TCD検出器は、上記のようにコラムオーブンの右後部に取り付けられています。検出器温度は通常100℃にセットされて工場から出荷されますが、必要に応じてトリムポットを調整することで130℃まで加熱することができます。 トリムポットは、GC本体上部前面にあるラベル付き穴の内側にあり、マイナスドライバーを使用して設定します。
キャリヤーガスの元圧は30psiにセットしますが、これはカラムヘッド圧より10〜20psi高い値です。
一般的な操作手順
- TCDフィラメント電流がオフになっていることを確認して、ガスクロの電源を入れます。 TCD検出器は検出器温度が100℃に到達した時に安定します。装置前面パネルのLED表示スイッチをUPの位置にして、“TCD Temperature Actual”ボタンを押し、TCDセルの温度を確認します。
- 3キャリヤーガスのカラムヘッド圧力(カラムを流れるキャリヤーガスの圧力)は、“Carrier-1”の“Actual”ボタンでディスプレイに表示されますので、本体の右面にプリントされた表に準じていることを確認してください。シリカゲルカラムでは10mL /分が最適ですが、カラムによって最適流量は異なりますので、必要に応じて、“Carrier-1”ボタン列の上のトリムポットを使用してカラムヘッド圧を調整・変更することができます。 このガスクロでは、キャリヤーガスボンベの圧力は通常30psiに設定されています。これはカラムヘッドの圧力より10〜20psi高くなっています。
- 設定値と実際の圧力が1psi程度の差異であれば正常です。
- キャリヤーガスが流れていない状態で通電しますと、TCDフィラメントが切れてしまうことがあります。TCDのスイッチをONにする前に、キャリヤーガスがTCDキャリアガス出口から出ていること確認するために、キャリヤーガス排出管に、水などを入れた小瓶で簡単にチェックできます(指で触れても十分です)。キャリアーガスの流れが検出できない場合は、TCD電流をオンにせず、原因を探り、修復してください。TCDフィラメント保護回路が組み込まれていますが、あらゆる状況下でフィラメントの損傷を防止することはできませんので、ガス流に注意して下さい。
- TCDフィラメントをOFFにして、感度を“LOW”に切り替えます。ノイズレベルは、新品のTCD検出器でゼロから5〜10mVです。5〜10mV以上のノイズは、フィラメントの酸化ですので、ノイズの大きさは酸化の程度を意味します。したがって、実試料の分析を開始する前に、ガススクロをスタートさせ、ベースラインを取りながらTCD検出器の状態を確認することは良い習慣です。。
- カラムの昇温プログラムは、このように設定します。
- クロマトグラム画面の左にある“0(ゼロ)”ボタンをクリックして、検出器出力信号を基準ライン(0)に合わせます。本体のRUNボタンを押すか、PCのスペースキーを押して分析を開始します。“Acquisition”のプルダウンメニューからスタートさせることもできます。
- 10uL液体シリンジで、サンプルをオンカラムインジェクターに試料を注入します。
TCD検出器とは
すべての化合物は、ある程度の熱伝導率がありますので、TCD検出器で測定することができます。 TCD検出器は、熱伝導率の高いヘリウムをキャリヤーガスとして使用されることが一般的ですが、窒素、アルゴンまたは水素などのガスも使用することができます。TCDは100%から50ppmまでの濃度のすべての分子に感度があり、特にO2、N2、CO&CO2などの無機ガスの測定に有効です。
TCDガスクロの応用例
◆呼気測定例
呼気の分析例です。呼気をガスタイトシリンジで、教育用TCDガスクロに注入し、CO2濃度を分析します。
- カラムの昇温プログラムを設定します。
- 3ml程度のディスポ―ザブルシリンジの針を外して、口内呼気をプランジャーを引きながら
シリンジに吸引します。
- オンカラムインジェクタにサンプルを注入します。ガスクロへの注入は0.5mLくらいが適当です。
- GC本体のRUNボタン、またはPCのキーボードのスペースキーを押して分析を開始します。
- サンプル名を記入して分析結果のクロマトグラムを保存します。必要に応じて印刷します。
通常、結果はCO2は1%位です。
下記のモデルには、オプションの急速冷却ファンが装備されています。